今回皆さんにお届けするビールは、私たちのブルワリーがある北海道"空知郡"上富良野町で産まれた、伝説のホップ「Sorachi Ace」を主役としたIPAです。 Sorachi Ace はその名前のSorachi（ソラチ）が示すように、1984年、この町で生まれたホップです。Saaz、Brewer’s GoldそしてBeikei No.2との交配種になります。風味は、独特なレモンのような柑橘系の香りと杉やディル、ヒノキといったウッディな香りが特徴的です。この興味深い性質を持ちながら、ピルスナーの全盛期、Sorachi Aceの存在は長らく忘れられたような状態になっていました。近年のクラフトビールの世界的な盛り上がりの中、伝説のホップはその興味深い性質で知名度を上げていきます。 今回はこのSorachi Aceを主役に、「忽布古丹醸造」と「ソラチ：空知」に縁のある2つのホップをブレンドしています。一つ目は甘い果汁のような香りやライムのような香りを持つ2023年産の上富良野産Cascade、二つ目は軽やかで爽快な風味でSorachi Aceの娘であるLuminosaがです。 このビールは一口目にSorachi Ace のシャープで爽快な風味、次に上富良野CascadeやLuminosaの爽やかで甘い柑橘な風味、そして後味にSorachi Ace のウッディな風味が味に締りを持たせます。主役であるSorachi Aceの風味が華やかに出ていますが、同時にその特有の成分ゲラン酸が２つのホップのポテンシャルを引き出した風味になっています。このゲラン酸はホップに由来する成分を組み合わせることでレモンのような爽やかな風味に変化する面白い性質を持つようです。一部にピルスナーのような風味を持ちながら、爽やかな柑橘の香りとウッディな香りが特徴的なIPA、これはまさにSorachi styleのIPAと言えるでしょう。 良く晴れた「The Open Sky」真っ青な「大空」の下で「Sorachi(ソラチ：空知)」を味わうのも良いかもしれません。