上富良野のホップの収穫は8月下旬から9月上旬の2週間程度に行われます。 あれから約4ヶ月。2023年の【HARVEST BREW】は「Pilsner（ピルスナー）」、「Pale Ale（ペールエール）」、「Saison（セゾン）」の3種類をご用意しました。特に、今回は生のホップをビールの発酵終期に漬け込む「Wet Hopping」という手法を用いた「Wet Hopped Saison」には多くの反響を頂きました。 実は2023年の【HARVEST BREW】には、もう1つのサプライズをご用意しております。大変ご好評頂きました「HARVEST BREW Wet Hopped Sasion」の一部を「Brettanomyces（ブレタノマイセス）」酵母という癖の強いフレーバーを呈する特殊な酵母で二次発酵させたものを「Bretta Sasion」と名付けました。 Brettanomyces酵母にはホップ由来の成分を生体内変換して、より柑橘やトロピカルなフレーバーを強調するという研究があります。まだ未解明な部分が多い分野ではありますが、だからこそ、このチャレンジやアイデアを試してみたいという好奇心が湧きました。ワインでは欠陥臭として扱われるBrettanomyces酵母特有のフェノール臭は「馬小屋のよう」と揶揄されますが、ビールでは必ずしもオフフレーバーとしてはみなされません。 上富良野産カスケードホップのシトラスフレーバーがBrettanomycesの癖の強いファンクなフレーバーと合わさって、ワイルドな印象の強いパイナップルのようなフレーバーに生まれ変わりました。セゾン酵母との混合発酵でもあるため複雑な性格になったのではないでしょうか。 また、Brettanomycesらしい野性味が溢れる味わいとなりました。嗜好性が非常に強い味わいですが、HARVEST BREWの可能性を押し広げる面白い仕上がりになったと思います。