一般的にIPAと言えば苦味ですが、この【一心不乱】は新旧のアメリカンホップの特徴と、ベルジャン酵母のフルーツ感がバランスよくまとまり、他のIPAにはない味わい深さが自慢のBelgian IPAです。 【一心不乱】は、忽布古丹醸造が尊敬する国内ブルワリーのとある銘柄をリスペクト＆オマージュしたものです。 このビールは華やかな柑橘系のクラシックなアメリカンホップと、杉のようなユニークな特徴を持つモダンなアメリカンホップを配合しています。それらのアメリカンホップと、スパイシーな酵母感を組み合わせて、ドライで苦すぎないIPAに仕上げました。 温度が上がってくると熟したバナナやアプリコットのような酵母由来のフレーバーが際立ってきます。つまり、温度変化による味の変容を楽しめるのもこのビールの魅力と言えます。特筆すべきは、最軽量化されたドライなボディです。これまでの銘柄において、最も糖度の少ない銘柄の１つとなりました。 余分な甘みを排除しつつも、アメリカンホップと、ベルジャン酵母によってもたらされた仮想のフルーティーな甘味は、物足りなさや水っぽさを感じさせないことでしょう。 意識して口から鼻にビールの香りを抜いていくと、杉のような和のニュアンスを見つけられるかもしれません。これが私たちなりのアレンジの１つです。柑橘感に加えて強い杉のような香りを持つホップは「類い稀な存在」と言っても過言ではありません。 アメリカンホップでありながら、どこか和のテイストを持つTalusというホップを発酵終期に２回加えることによって、ベルジャン酵母の癖にも負けないフレーバーを取り込めたと思います。アメリカ産ホップ、ベルジャン酵母、そして私たちの解釈を織り交ぜた「和魂洋才」なIPAをお楽しみください。